それから数週間。


特に何もなく、穏やかな時間だけが

刻々と過ぎていった。




ガチャッ



「理人、帰るわよ」


そんな時間を奪いに来たかのように

現れたのは…



シャルさんだ。




もちろんみんな止めたし

理人も抵抗した。




でも、ムキムキのSPに適う力は

誰にもなくて…


あっさりと連れていかれてしまった。




理人が居なくなる。

という恐怖で動けなくなる私。




い、行かなきゃ…!!


そう思って駆け出した。




空港から車できたのか、

丁度私が出た時に車に乗り込もうと

していた。



後少し、ってところで出発してしまい

届かない可能性の方が高いのに

私は走って追いかける。



あーもう!ヒール邪魔!

と思い、片手に靴を持ち、

裸足で駆けてゆく。