私は気づいてなかった。 想像もしてなかった。 少しずつ、壊れ始めていた事に……。 「七乃、夕飯の買い物に行ってくるから。何か欲しい物ある?」 「ううん……ないよ」 「そっか。すぐ戻るからね」 私の唇にさり気なくキスをして、買い物に出かけて行った。 私は春田くんとの約束を守ってる。 学校以外は外出しなくなった。 約束を破ったら何をされるのかが、恐ろしくてたまらなかった。 春田くんって基本的には優しい人だけど。 怒ったら何するかわからないもんなぁ。