「……え?」 「あ、いや、何でもない。春牧のこと、白王に言い忘れたなって……」 「あぁ、そういえば。でも大丈夫ですよ」 「どうして?」 「王のことだから、その辺の事情は言わずとも理解してるはずです」 由良は細かいことは気にしない性格なのか、そう言って千霧の前を歩く。 千霧も遅れないように、その後を追った。 ……由良と空良の性格は、まるで反対だ、と心の内で思いながら。