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「着いてこい」

急に視界が明るくなり、シオンはオーディンを見上げた。

気づけば固い床にしっかりと足がついていたが、何の衝撃もなかった。

オーディンはシオンの腰に回していた腕を解くと、大股で歩き出した。

「あの、ここは何処ですか?」

慌てて見回すと、ここが豪華で壮麗な建築物であることが見てとれた。

オーディンは振り返らずに答えた。

「俺の館、グラズヘイムだ」

長く幅の広い煌めくような廊下は、廊下と言うよりは大広間といった感じである。

蝋燭やランプなどといった類いの物は見当たらないのに、何故かキラキラと柔らかな光が程よくて、幻想的である。