恋する白虎

美雨って、可愛いな。

その時である。

「おい、杏樹」

入り口を見ると、ユニフォーム姿の慶吾が立っていた。

「慶吾。どーした?」

「スマホ忘れてきてさ、今日、部活遅くなるんだ。
悪いけど、かーちゃんに飯要らねって、ゆっといて」

「らじゃ」

「じゃ、私も帰るね。また明日ね、杏樹」

「うん、じゃね」

…田崎慶吾。

学校で一番モテる男と、人気者の女が幼馴染み。

しかも女は、見目麗しい白虎と同居ですって?

ムカつく。

ムカつく。

ムカつく!

奪い取ってやる。

あんたばっか、イイ思いしないでよね。

美雨は、杏樹の後ろ姿を睨み付けてそう思った。