その日の夕方。 帰ってきてから私は本屋にいた。 今日は好きな本の新刊が出る日だった。 「あった…」 本を手に取り、会計を済ませた私は本屋を出て、帰ろうと身を翻した。 すると後ろから、 「あー、花咲だ」 聞きなれてはいないけど、聞き覚えのある声が聞こえた。 後ろを振り向くと、 「憲由。…と誰?」 憲由と知らない男子が立っていた。