俺の見つめる先にあるもの、それは。




_______鈴森星乃の文字。




思わず二度見した。なぜならそれは、2学年1学期中間テスト成績上位者の、1位の欄にあったから。


先輩が、1位。



あの人に欠点ってあるんだろうか。


容姿が整っていて、誰からも好かれるような飾らない性格で、頭も良いなんて。



...モテないわけがない、な。


今だって、どこからかちらほらと"鈴森"やら"星乃"やらと言う声が聞こえる。いろんな意味で有名人なんだな、彼女は。



そんな人を好きになって、俺に勝ち目ってあるんだろうか。

弱気なことを考えてしまう。



...考えんのやめよ。


大体俺が何か思って予測なんてしたところで、わからないし。



そう思って、教室に向かった。