今までは毎日会っていたが、明日から入学式まで2週間以上、会えなくなる。


そしてその後も、2人きりであうことはもちろん、ろくに話もできない状況になってしまう。


そうすることを決めてから、ずっと、結衣は寂しそうだった。



だが、目の前の結衣は寂しいとは言わず、こらえ切れない涙を拭うだけ。




そんな姿が切なくて、オレは結衣を抱き寄せた。




頬に結衣の髪が触れ、その柔らかさとシャンプーの香りとで、速まる鼓動――。


結衣に気づかれそうで、腕を緩めた。