<吉崎修太郎>


8月7日――オレの誕生日。


悠斗と佐伯は用事があると言うので、結衣と2人で市立図書館に行った。



4人ではお互いの家に何度も行き来していたが、2人だけでは抵抗があった。


オレの母親と結衣のお母さんは、野球の試合を観に来たり当番なんかで顔を合わせ、悠斗や佐伯のお母さんとも仲が良かった。


だからなんとなく、2人とも、つき合っていることを親に知られたくなかったのだ。


引退前はつき合っていた訳でもないし、帰る時間が遅かったので家の前まで送っていたが。


引退後は、それぞれの家へと分岐する曲がり角で別れるようになった。


家の前まで行ってしまうと、お母さんに見られる可能性が高くなるからだ。