うそつき執事の優しいキス


 そこまで言って、ダイヤモンド・キングは、自分の拳を振り上げた。


「Cards soldierメンバーは、このオレサマが決めーーーる!
 このダイヤモンド・キングより上手い自信のある、ヴォーカル!!
 腕に覚えのあるギタリスト!!
 全員まとめてかかって来ぃやぁ!!!」


 うぁ、やっぱり最後は、テンション上げるんだ……!


 いつの間にか、宗樹のピアノが止んで。


 ダイヤモンド・キングの呼びかけに、会場のみんなが『おお~~!』と叫んだ時だった。




 ガッターーーン!!!!




 実際は、それほどではないんだろうけど!


 気分的には、さっき宗樹が叩いていたドラムよりも大きく、破壊的な音が、体育館の入り口辺りから、した。


 どうやら、誰かがパイプ椅子かなんかを力任せに投げつけたらしい。


 宗樹が作った穏やかな静けさではなく、殺伐とした沈黙を作ったヒトが怒鳴った。


「スペード・エースの替わりを探すのなんて許さ、ない!」


 え……と、この声としゃべり方!


 どこかで聞き覚えが……!


 わたしも、みんなと一緒に、体育館の入り口に視線を向けて、驚いた。


 あの、朝会った金髪で青い瞳の彼が、ものすごく怒った顔をして、立っていたんだ。