うそつき執事の優しいキス

「軽音部は、今年も部員を募集する。
 君去津には、レベルも音楽の方向性も、まるで違うバンドがいくつもあるし、メンバーを募って新しい音を作ってもいい。
 下手クソでもいい。
 音楽が好きで、ちゃんと音に向きあえるヤツは、このオレサマ。
 神無崎裕也がダイヤモンド・キングの名にかけて、歓迎する。
 一緒に、良い曲作って演奏しようぜ?
 もちろん、練習もしないチャライヤツや、幽霊部員はいらねぇ。
 即刻軽音から蹴り出すけどな」


 うぁ……神無崎さん。


 げらげら笑いの混じった、ハイテンションな感じなだけじゃなく、こんなしゃべり方もできるんだ……!


 おちついて語りかける口調は、すごくセクシーで大人っぽい。


 ヒュー


 ヒューーッ


 幽霊部員はいらねぇ宣言辺りで鳴った口笛を手で制し、キングは更に言葉を続けた。

「それと、軽音部だけじゃなくCards soldier、単独でもバンドメンバーを募集する。
 ……悪りぃが、こっちの方は『音楽好きなら誰でも』っていうわけにゃいかねぇ。
 去年抜けたスペード・エースの代わりだからな!」