うそつき執事の優しいキス

「神無崎さんも、同じ君去津高なんだね。
 顔の傷、バラしたらって、わたしが何か言わなくても、そんなの!
 見れば誰にだって一目で判るじゃない。
 そのまま学校に行って、大丈夫なの?
 神無崎さん待っている間、少しは……その。
 目立たなくしてみようか?」


「………いらねーよ。
 あんたが頑張っても、なんとかなるとは、ちっとも思えねぇ。
 自分でやった方がマシだ」


「でも……」


「しつけーな! いい加減にしろよ!」


 宗樹にガッと咆えられ、思わず一歩下がったわたしを見て、少し反省したらしい。


 彼は、声を落としてささやいた。


「……それに、俺達の待ち合わせって、男子トイレだぜ?
 お嬢さんも、一緒に入って待つつもりなのか?」


「………!」


 宗樹に言われて今度はわたしの方が、カッ、と頭に血が上った。


 それが、男子トイレで一緒に待つ? なんて言われて恥ずかしかったからなのか。


 急に機嫌を損ねた宗樹に、ツンケンされて腹が立ったのか。


 そんなことも、良く判らないまま。


 わたし、宗樹の前から逃げるように駆けだした。



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