うそつき執事の優しいキス

 宗樹は至極真面目な顔つきをして、親指で駅の天井を指差した。


「丁度、その駅の出入り口辺りに女の遺体が引っ掛かってたんだと。
 以来、この駅では事故が多発しているんだ。
 何年か前の花火大会の時も、酒に酔ったヤツが、線路に飛び降りた、とか。
 他にも色々あったけど、それは全~~部、女の幽霊が寂しがり、仲間が欲しくてやったことらしい。
 君去津高のヤツらが、この駅を利用しないのも案外、その女せいかもな」


 う~~わ~~


 宗樹は、淡々と話をしてたけれど、それが却ってとっても怖かった。


「駅の……そんな所に、女のヒト引っ掛かってたなんて!?
 こ……怖っ……!
 だからこの駅、変な迫力あるんだ……」


 わたしは、宗樹の話に大きくうなづいた。


「どーりで、さっきから背筋が寒いような……気が……っ!
 これもやっぱり、その幽霊の仕業かな!?」


 ひ~~ん。


 これから、三年間この駅使う予定だったのに、一番最初からそんな話を聞いちゃ、怖すぎる。


「どどどどうしよう!? 幽霊だって!
 わたしも、他の皆と一緒に駅を変えた方が良いと思う!?
 宗樹は、毎日、この駅使ってて怖くないの?
 ……わ……わたし改札まで、一人て歩いてゆく自信がない……」