うぁ……緊張するなぁ……
くっ……口から心臓が飛び出しそう~~
ドキドキドキドキ……
鳴り止まない自分の心臓の音がうるさくて、わたし、なんにもしないうちに、このまま倒れそう~~
なんて、思ってたら、本当に一瞬ふっ……と意識が遠のきかける。
やばっ! 緊張しすぎて貧血起こしたかも~~
なんて。
自分ではどうすることもできずに、ふわぁ~~と倒れかけたわたしを、黒いマントの王子さまが助けてくれた。
ものすごい緊張感で、ふらついたわたしを軽々とお姫様だっこに抱きあげて。『大丈夫か?』ってささやく彼は……宗樹。
Cards soldier(カーズソルジャー)のリズムの要。
ドラマーであるクローバー・ジャックの衣装に身を包んだ、わたしの大好きなヒト、だった。
最後のCards soldierの正式メンバーであり、軽音部の部長さんである七瀬さんと、廊下
の片隅でぶつかってから一週間と少し。
わたしは、今。
Cards soldierの『レディ・ジョーカー』の衣装を着て、君去津高名物、新入生歓迎会が始まる寸前のステージ裏の楽屋にいた。
これからバンドの一員として、キーボードを担当し、体育館に大勢つめかけたヒトビトを盛り上げるんだ。



