うそつき執事の優しいキス

「だって~~」


 執事みたいな宗樹はイヤだった、とは言えなくて。


 とりあえず、宗樹から離れて上目遣いで見上げれば。


 宗樹は、やれやれ助かった、とため息をついた。


「勝手に部屋に入ってピアノを弾いてたのは、悪かった。
 落ち着いてピアノを弾きたい気分で、あちこち探してたんだけど他に、見当たらねぇし。
 俺に割り当てられたゲストルームって、ジジィの私室の隣でさ~~
 時間あるたび何かと説教に来るから、三巡目で逃げ出して来たんだ」


「た……大変だったね~~」


「まったくだぜ。
 でも、まあ、西園寺に来りゃ、こーなるだろうって予測はしてたからな~~ま、仕方がねぇ」


「でも、どうやって鍵がかかっているわたしの部屋に入れたの?」


 首を傾げて聞いたら、宗樹はふっと笑った。


「ジジィから、マスターキー借りた。
 執事長のキーボックスには『借りるぜ』って断って来たけど、ジジィに聞こえたかどーかは謎だな」


「……それって、無断拝借とかって言うんじゃ……」


「そーとも言う。
 執事長が、マスターキー無くしたとあっちゃ、大失態だからな~~
 今、俺や裕也達も来てる事だし、ジジィは真っ青になって探してるんじゃねえか?」