うそつき執事の優しいキス

 ……それからは、なんとか上手くやれたかなぁ。


 蔵人さんが歌い、わたしがその音を拾って、楽譜に書きつけ、宗樹と神無崎さんが話し合いながら編曲してる。


 そして井上さんが、出来あがったばかりの曲を聴いて、嬉しそうに笑ってた。


 みんなと一緒って、楽しいな。


 そんな思いが、ふっと、湧き上がってビックリした。


 今まで『西園寺』の名前に驚いて、輪の中に入れなかった。


 お姫様扱いって、要はわたしは皆と違うんだって思うことと同じ。


 ヒトは沢山側にいても、一人ぼっちだったのに、ここでは、わたしの居る場所がある……!


 そのことが、本当に嬉しくて、とても楽しくて……!


 こんな時間がずーーっと続けば良いのにって思った。


 だから、思わず言っちゃったんだ。


「今日は、このままウチに泊って行かない?」って。


 急に、人数を増やしたし。


 パーティじゃないからカジュアルにって注文をつけた、西園寺としてはごくフツーの日の晩御飯のフレンチを、みんなでぎゃあぎゃあ騒ぎながら食べた後。


 言ってみたお泊りの提案に、井上さんの目が星になり。


 男子陣は三人そろって、ぴきっ、と固まった。