うそつき執事の優しいキス


 なんて。


 ウチの執事長の折り目正しい正式な挨拶に、神無崎さんは気軽によろしく~と手を振り。


 宗樹は、無表情になるのに失敗して、まるで酢を呑んだような顔をして爺を無視し。


 蔵人さんと、井上さんは、執事の深々しい会釈につられて、同じような、ふかぶか~~な挨拶を返してた。


「それでは、こちらでございます」と。


 前に立って案内をする爺に、わたしたち、部活の延長で来ただけだから、夕食以外は何も構わなくて良いからねっとくぎを刺し。


 とりあえず皆を自分の部屋に招き入れてみた。


 そして、爺が一礼していなくなって、やっと。最初から、自分の家みたいに気軽だった神無崎さん以外の皆が、ほっと息をつく。


「な、何だかすごいねぇ~~
 西園寺さん『お嬢さま』だって!」


 井上さんが、感心したように言った。


「お庭も広いし、キレイだし!
 部屋数も、めちゃくちゃ多いよね~~
 ちなみに、ここドコ? 何の部屋?」


 大きなグランドピアノあるし、リビングかな?


 ここなら、フルオーケストラも入りそうだね~~なんて、井上さんは辺りを見回した。


「えっと……わたしだけの部屋?
 私室なので、呼ばなければほとんど誰も入って来ないから、みんな自由にしててね」


「え~~うそ~~信じられない!
 ステキ~~!」