うそつき執事の優しいキス

「ギター持って来てねって、簡単にいうけど!
 これから夜になるのに、大丈夫?
 ピアノや歌だけでもご近所に迷惑になるんじゃ……」


 そんな彼女の言葉に、神無崎さんと宗樹が顔を見合わせ、同時に言った。


「「西園寺家なら大丈夫だろう」」


「本当?」


「うん。ウチならフルオーケストラが一晩中練習しても大丈夫だよ」


「本当!?」


 おお~~驚いてるなぁ。


 なんだか、井上さんの様子が面白く。


 特に彼女は音楽を演奏するわけじゃないけど誘っちゃった。


「もし良かったら、井上さんもウチに来る?」



 ……



 何だか、楽しいなぁ。


 誰かの家にお邪魔する時は、特に菓子折り持参……とかするわけじゃないけれど。


 自分たちで飲む飲み物とお菓子ぐらいは、持ってゆくのが習慣なんだって!


 ウチのコックさんに、夕食を四人前追加って連絡を入れたついでに、駅から家までのお迎えの車を断って。


 実は、生まれて始めて寄ったコンビニで皆でジュースとスナックを買い込んでわいわいがやがや騒ぎながら、ご機嫌で帰って来た……んだけども。


 自宅の前で「わたしん家、ココ!」って指をさしたら、蔵人さんと井上さんが、揃って持っていた荷物を取り落とした。