うそつき執事の優しいキス

「オトすハズの相手の宗樹が、お前にマジだって言ったろ?
 オレに勝ち目なんてあるかよ、莫~迦。
 それに、宗樹の方だって。
 アイツ一人の力で、藤原家数百年の伝統って言うヤツがひっくり返せるのか?
 例え、お前が一緒に戦ったとしてもかなり厳しいんじゃねぇ?
 理想を語るのは簡単。
 でも、それを本当にすることは難しいぜ?
 オレは、宗樹の側で黙って立って、お前たちの叶わない恋の行く末を見てるさ……」


 切ないね。


 愛しい気持ちは溢れているのに。


 届かない思いも多すぎて……悲しくなる。


 神無崎さんは、涙をこらえるように空を見ながらつぶやいた。


「なぁ、西園寺。宗樹って、良い男だよな」


「うん」


「何でもできるくせに、謙虚でさぁ」


「うん」


「……ほんとは、すげー優しいんだ」


「うん」


「できればさ、お前たち二人で幸せになれよ。
 オレも協力は惜しまねぇ。
 ……多分それが、宗樹にとって一番いいことだからな」


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