うそつき執事の優しいキス

 いい加減にしてください! もう後が無いんでしょ!? なんて。


 ぽんぽん叫ぶ、井上さんの声に、蔵人さん特に怒りもせず……それどころか、今にも扉を蹴り破ろうとしていた足を下げ……


 あ、蔵人さん。


 腹黒ライオンから、困った天使の表情(かお)に戻った。


 これって、もしかして!


「……えっと、井上さんと蔵人さんって、だいぶ前からお知り合いだったんですか!?」


 聞いたわたしに、蔵人さんはうなづいた。


「知り合いもなにも、ない。
 このコ井上奏太の、妹」


「イノウエ カナタ?」


 初めて出て来た名前に首を傾げれば、蔵人さんは、ああ、そうか、ともう一度うなづいた。


「……スペード・エースの、妹」





 えええええええっっっ!!!