うそつき執事の優しいキス

 すごい、すごい!


 これは、もしかすると……!


「もしかすると、蔵人先輩、Cards soldierのヴォーカルになれるかもしれません!」


「……だから無理だよ、理紗。
 僕は楽譜通りに音が出せ、ない」


「蔵人先輩が、楽譜通りに歌う必要なんてありません!
 先輩の歌に合わせて楽譜を書けば、良いんですよ!!」


「え?」


「同じ歌を繰り返し歌えるのなら、蔵人先輩の歌を聞いて、わたしがその音階を紙に書き写せば良いんです!
 それを元に、宗樹と神無崎さんに曲を作って演奏してもらえば、きっと!」


 蔵人さんがCards soldierスペード・エースの代わりの歌い手になれるかもしれない!


「作曲と演奏の順番が逆、だ!
 無理、だ!
 そんなメチャクチャな……!」


 少なくともCards soldierでは、やったことが無い!


 そう叫ぶ、蔵人さんの手をわたしは引っ張った。


「無理かどうかは、やってみなくちゃ判らないですよっ!
 蔵人先輩は、スペード・エースさんを待ちたいんでしょ?
 もし、成功できたら、これ以上ステキな待ち方は、無いんじゃないですか!?」