うそつき執事の優しいキス

「ええ~~彼女になれよ。
 オレの彼女の席って、結構レアだぜ、レア!
 毎回、だいたい定員一名しか募集しねぇし、しかも、あっという間に埋まる」


『だいたい』定員一名って!


 ソレが二名以上になったら普通、浮気っていう状態じゃあ……?


 イヤ~~


 わたしは思い切り、ぶんぶんと首を横に振ったけれど、神無崎さんは全く気にしてくれなかった。


「おお、照れてるのか? 可愛いな」


「違いますって!
 なんで初対面で、名前も知らないのに、お友達だの、彼女だのって言うんです!」


「名前~~?
 そんなもんが、問題なのか?
 オレはお前が気に入った。だから、それで良いじゃないか。
 お前の着てる制服は『君去津』の『一年』だろう?
 これだけ判れば、お前の居所なんて簡単に探せるし。
 名前が、山田花子だろーが、鈴木なんとかだろーが全くかまわねぇ。
 本名が気に食わなけりゃ、オレはお前を好き勝手に呼ぶ」


 そーだな、お前。


 地味っぽく、みつあみなんてしてるくせになんだか、派手でさぁ。


 ぱっと見、高そうなネコに見えるから、タマとかペルシャネコのペロちゃんとか呼ぼうかな、なんて言い出した彼に叫んでた。


「ん、な無茶苦茶な!」