「……それで、宗樹連れて帰ろうと思ったらさぁ、もういねぇじゃん?
 仕方ねぇから、一人で帰ろうと思ったら、西園寺の後について歩いてるのを見つけてさ。
 ついでに、お前にも声をかけたって、ワケ」


 ……えっと、ついでですか、わたしの存在。


「昨日だって突然、宗樹帰っちまうし。
 あれも、西園寺を追いかけて出てったのか?
 事情を知らなかったら、宗樹、お前ストーカーに見えるぜ?」


 って神無崎さんは笑って宗樹を見……見られた彼は特に何も言わなかった。


 もう!


 ストーカー呼ばわりされたら、何か言い返せばいいのに!


「宗樹はストーカーじゃないもん!」


 何も反応しない宗樹にかわって、わたしが頑張っちゃった!


 それを見て神無崎さんは目をすぃ、と細めた。


「知ってるぜ、お前の執事だろ?」


「執事じゃないもん!!」


 思わず叫んだわたし自身も驚いたけど、一番驚いたのは、宗樹みたいだった。


 でっかい神無崎さんの後ろに半分隠れるようにして、ようやく動いた宗樹の表情を見た。


 ……彼は驚いたように、目を見開いている。