うそつき執事の優しいキス

「「「うああああ~~」」」


 わたしの周りにいたヒトビト!


 色々言いたいことはあるみたいだけど、一応は納得してくれたみたい。


 わたしの周りを、ぐるぐる取り巻いていた包囲網を少し緩めた。


 その隙を縫うようにやって来たヒトが、当たり前のようにわたしの肩を抱いて、人ごみを抜け出させてくれたんだ。


 ……けれども。


「宗樹、ありがと」って、言葉を聞いてくれたかどうか。


 わたしは、井上さんに託されて……当の宗樹はわたしからさっさと離れ。


 知らん顔して、神無崎さんと一緒に校庭に集まり過ぎた生徒の整理を始めてる。


 そんな、目まぐるしく変わる状況に、呆然としているわたしに声をかけてくれたのは、井上さんだった。

「西園寺さん~~
 驚いたよ~~!
 心配したよ~~!!
 朝、登校したら、何だか色んな人に囲まれてたじゃない! 大丈夫!?」


 いつまでも、その場に残っていると、新たにヒトが集まって来そうで!


 わたしの手をとり、移動しながら井上さんが気にかけてくれた。


「はは……なんとか、大丈夫そう。
 井上さん達が、助けに来てくれたし!
 一人だったら、どうしようかと思った~~」


 人ごみから抜け出して、ほっとして言ったら井上さんがくすっと笑う。