うそつき執事の優しいキス

 確かに茶道も華道も、やっていたけど!


 わたし、基本は知ってるだけで、実はあんまり上手く無い。


 これは女子のたしなみ、みたいなモノじゃなかったっけ!?


 テニスも社交ダンスも、社交界の基本、だよね?


 お誘いがあった時に、全く出来ないとドン引きされるから、小さな時から、一流のプロをお家に招いて練習はしてたけど。


 別に一つのコトを深く追求して練習したわけじゃなし。


 いろんなことがそこそこ出来る、器用貧乏止まりで……そんなに取り合いになるほど上手い、とは思えない……んだけど。


 わたしの感覚が、みんなと……その……かなり……ずれてるなんてことはないよね?


 そんなコトより!


 今一番問題なのは、高校生活二日目にして、朝、自分の教室に入れないほどヒトに囲まれちゃった、ってことだ!


 これをなんとか抜け出さなくちゃいけないんだけども!


 絶対、無理だってば!


 押し寄せるヒトビトをさばけずに、トホーにくれていた時だった。


 大勢の後ろから、助けの声が聞こえたんだ。


「全員、止まれ!
 西園寺理紗の身柄は、このオレサマ、神無崎裕也が預かる!
 みんな彼女を離して、教室に戻れ!」


 えっ! 神無崎さん!?