うそつき執事の優しいキス

 

 かたん ことん

 かたん ことん



 柔らかい音を響かせ電車が、走る。


 随分と長い間。


 事故の時に名乗り出せなかったことと、Cards soldierのコトで悩んでいたのが、色々話せて気が抜けたらしい。


 隣に座った宗樹が、居眠りしてる。


 そして、わたし自身もまた、微かに触れる宗樹があったかくて気持ち良く。


 今日一日の目まぐるしい出来ごとにも疲れて、うとうととしてた。


 かたん、と電車が音を立てるたび、宗樹の少し長めの茶色い髪がさらり、と揺れる。


 長いまつげに縁どられ、閉じたまぶたは穏やかで。


 眺める方も、ね……む……く………


 くぅ……


 わたしも、宗樹の様子にほっとして、このまま深く眠ってしまうかと思った。


 ふっ……と、完全に意識が遠のきかけた、その時。


 はっ、と目が覚めた宗樹が小さく『うぁ』と声をあげた。


「ど……どうしたの!?」


 一気に目が覚めたわたしに、宗樹が悪りぃ、と息をついた。