うそつき執事の優しいキス

「……ああ、そうだな……
 スペード・エースを良く知らない雷威神メンバーは、すぐ。
 それこそ、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。
 そして、俺達も……救急車とパトカーのサイレンが聞こえるまでは粘ったんだけどな」

 炎上した車の煙を吸って喉を痛め、声帯が壊れる寸前のスペード・エースに本気で怒鳴られて蔵人が逃げ。


 残ろうとした俺は、裕也に殴られて気ぃ失っちまった。


 それで、だいぶ長い間、裕也とバイクと一緒に、藪の中で寝転んでたみたいでさ。


 気が付いたら、もうエースは病院に連れて行かれ、事故処理も全部終わった後だった。


 そんな宗樹の告白に、とても言葉なんて、見つからない。


 息をのんだわたしの代わりに、宗樹は「しかも事故った相手の車が、悪いヤツだったんだよな」と言って深々しいため息をついた。