うそつき執事の優しいキス

「……ウソ。
 それって、一般的な音痴のレベル、超えてない?」


「本当。
 ちょっと普通じゃねぇけど。
 ……蔵人もワケあり、だから」


 ……ワケあり、だからこそ。


 蔵人もCards soldierを自分の居場所だってすごく大事にしてくれてた。


 俺達にとっても、蔵人はバイクチーム雷威神のリーダーで、Cards soldierのメンバーを引き合わせてくれた張本人だし。


 音楽が全く出来なくても、Cards soldierが演奏出来る場所を人一倍探して来てくれる蔵人の存在を無視したくなかったんだ。


 そう言って、宗樹は、明日世界が終わるようなため息をついた。


「それからのことだ。
 あと一人、音楽出来るヤツが加わって、Cards soldierが軌道に乗って来た所で……例の事故が起きた」


「……宗樹」


「アンチリア充、ってのが名目の、クリスマス走だったからなぁ。
 バンド活動して、女のコから騒がれる事は多くても、Cards soldierメンバーには夜一緒に過ごす本命はいないとかで、結局全員参加。
 他の主だった雷威神メンバーもほぼ集結した、結っ構~~大規模な集会だったんだけど。
 いつもの海が見える峠の道でバイクの集団走行をしてたら、酔っ払い運転の車に突っ込まれたんだ」


 言って、宗樹は形の良い眉を寄せた。