「最後まで、人間として生きたいと思う」
「……うん」
「近藤先生や土方さん、新撰組のみんな、そしてお前と過ごした日々を忘れるなんてできない。
一番大事なものを捨ててまで生き延びる価値が、俺の中にはどうしても見つからない」
ぎゅっと、あたしの手をにぎる力が強くなる。
その熱で、目頭が熱くなるような気がした。
「生きていたい……けど、死んでも、お前のことは忘れたくない。
お前と想いあって、みんなと新撰組で過ごした時間が、俺の中の唯一の誠だから」
「うん」
「だから……ごめんな。俺は新撰組として戦って、死ぬ道を選ぶ」
「うん……」
どこかでわかってたよ。
もののけになっても、生き延びてくれれば一緒にいられるかもしれない。
そんな夢を見ない日はなかった。
けれど、総司が自分の誠を捨てるはずのないことを、あたしはわかってた。
こういう決断をすることをわかってて、あえて聞かないようにしていたんだ……。



