ああ、あの時と同じだ。
池田屋事変の前、自分の寿命がもう長くないと話してくれたときと、同じ瞳だ……。
「どうやら、人間の体の寿命が尽きようとしているのは、間違いないみたいだ。
銀月の言う通り、鳥羽伏見で無理をしすぎたんだろう。
せっかくのお前の血も、人狼の運命を変えることまではできなかったみたいだな」
人狼の運命……。
人であり、なお狼でいようとすれば、必ず体に負担がかかり、寿命が縮む。
それは、あたしたちが生きながら必死に目を背けていたこと。
あたしの血を飲み続ければ、大丈夫なのだと、信じていたかった。
「……多分、俺は死ぬだろう。そう遠くない、将来に」
低い声が、部屋に重たい沈黙をもたらす。
あたしは何も言えなくて、ただ総司の顔を見つめていた。
「ずっと考えてた。
記憶を捨て、人としての自分に決別するか、完全なもののけとなって生き延びるか」
「うん……」
「俺は……」
総司は一度、深く息をついた。
そして、自分の決意を口にする。



