幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「すぐにでも進軍は始まるだろうな」

「うん……総司は、どうするの?」


総司は局長が流山で投降してしまってから、明らかに憔悴しているようだった。

咳き込む回数も多くなり、呼吸さえ辛そうだ。


このまま新撰組と一緒に行軍して、戦に参加するのは誰が見ても無理そう。

だけど……。


「一緒に行くに決まってんだろ」


ほらね。言うと思ったよ。


総司はむくりと起き上がると、あたしにそばに座れと命じた。

言われるまま近くに寄ると、総司がじっとあたしを見つめる。


「……な、なによ?」


居心地が悪くて目をそらそうとすると、総司があたしの手をにぎった。

その長い指は、以前より少し細くなってしまったみたい。

そんなことに気づいて、胸が痛くなった。


「楓……曖昧にしていてすまなかった。ちゃんと話をしておこう」

「え?」

「これからどうするかについて」


どくん、と心臓が跳ねる音がした気がした。

総司は真剣な顔で、あたしを見つめている。