慶応4年4月
新撰組は五兵衛新田に集結した浮浪浪士や募集した新入隊士・総員220余名で、下総流山へ転じた。
流山の味噌屋・長岡屋に本陣を構えると、近くのお寺にも隊士たちを分宿させることにした。
ここから少し離れた山で兵士を調練し、会津に転じて新政府軍と戦うのが新撰組の狙いだ。
総司はもののけの森に戻ってこいと言う銀月さんに従わず、隠れて新撰組と行動を共にしていた。
もちろんあたしも総司と一緒。
毎晩総司に血を与えているせいで、腕の内側には赤い線がたくさんついていた。
それでも、あたしはそんなのちっとも気にしていなかった。
半月ほど戦がなかったおかげか、総司の体の状態は、悪化せずにすんでいた。
「しかし頭領、このままここにいても戦えないでは意味がない。
人間の体の寿命が尽きてしまう前に、どうかもののけにお戻りください」
「ああ……でも、そう言いながら意外に死なないじゃないか。もう少し大丈夫だろ」
銀月さんとのこのやりとりも毎日のことで、あたしはもう慣れっこになっていた。



