「戦力差からして、城攻めは無理だろう。
我々が動けば城付近の新政府軍も動き、勝沼辺りで衝突、野戦となるはず」
総司の反対側に座ったままの斉藤先生が、説明をしてくれた。
「少しだけど、もののけたちを連れてきた。城に夜襲はかけられないか?」
「無理だな。さっき城に式神を送ってみたが、結界が張ってあるらしく、中の様子もわからない。
きっと、もののけ対策に岡崎一族が手を貸しているんだろう」
岡崎一族……久しぶりにその名を聞き、びくりと肩が震える。
もともとはあたしの故郷だった、忍の里。
大奥から逃げだしたあたしを捕縛せよという任務を受けた陽炎が、新撰組に返り討ちにされ、帰ることができなかった。
そのために幕府から手を切られてしまい、新政府軍についたのだと、槐が話していた。
その後、今は亡き家茂公にお会いして、総司と一緒にいることは許してもらえたけど……幕府と岡崎一族の溝は埋められないままだったんだ。
「あたしのせいだ……」
「また出た。それ言ってても、なんも良くならないから」
平助くんがぽんと軽く肩を叩いてくれる。
そちらを見ると、原田先生や永倉先生もうなずいてくれた。



