幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「戦力差からして、城攻めは無理だろう。
我々が動けば城付近の新政府軍も動き、勝沼辺りで衝突、野戦となるはず」


総司の反対側に座ったままの斉藤先生が、説明をしてくれた。


「少しだけど、もののけたちを連れてきた。城に夜襲はかけられないか?」


「無理だな。さっき城に式神を送ってみたが、結界が張ってあるらしく、中の様子もわからない。

きっと、もののけ対策に岡崎一族が手を貸しているんだろう」


岡崎一族……久しぶりにその名を聞き、びくりと肩が震える。


もともとはあたしの故郷だった、忍の里。


大奥から逃げだしたあたしを捕縛せよという任務を受けた陽炎が、新撰組に返り討ちにされ、帰ることができなかった。


そのために幕府から手を切られてしまい、新政府軍についたのだと、槐が話していた。


その後、今は亡き家茂公にお会いして、総司と一緒にいることは許してもらえたけど……幕府と岡崎一族の溝は埋められないままだったんだ。


「あたしのせいだ……」


「また出た。それ言ってても、なんも良くならないから」


平助くんがぽんと軽く肩を叩いてくれる。

そちらを見ると、原田先生や永倉先生もうなずいてくれた。