銀月さんの背中に乗り、夜の森の中を抜け、あたしたちは甲陽鎮撫隊が陣を敷いているという柏尾の大善寺に着いた。
もののけの森から約一日をかけ、休まずに駆け抜けたおかげで、みんな疲れ果てていた。
新政府軍と戦いになった際に協力してくれるというもののけたちも、少し離れたところで集まって休むことに。
かがり火が燃える陣中に入ると、局長をはじめ、幹部たちがいっせいにこちらを振り返った。
「総司、楓!」
「平助がどっかに行ったと思ったら……。お前、体は大丈夫なのかよ?」
原田先生と永倉先生が寄ってくる。
「ええ。それより、甲府城がとられてしまったと聞いて」
総司は陣営の中央に置かれた机の前に座っている局長の近くに歩み寄る。
「ううむ……」
局長は難しい顔で腕を組み、机の上に広げられた地図をにらんで黙ってしまった。



