幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「総司の言うことなら、近藤さんも聞いてくれるかもしれないだろ。
このまま敵地に突っ込んでいくなんて無謀だよ。
せめて土方さんが戻ってくるまで待ってって言ってくれないかな?」


「そう、だな……その状況じゃ、いくら近藤先生でも厳しいな。
聞いてくれるかわからないが、すぐに向かおう」


総司はそう言うと立ち上がる。


「楓、洋装に着替える。手伝ってくれ」

「ちょ、ちょっと待って。また無理したら……」

「狼化しなきゃいいんだろ。みんなと話をするだけだ」

「あんたが仲間のところに行って、何もしないで見ていられるわけないじゃない!」


みんなが困っていれば、なんとかして助けようとするじゃない。

仲間のために命をかけて戦ってしまう、あんたはそういう人じゃない。


「大丈夫だって。そんな、泣きそうな顔すんなよ」


総司は少し困ったような顔で、あたしの頭をなでる。


「銀月、いるか」


名前を呼ばれれば、狼の姿の銀月さんがすぐに現れる。

総司は彼に、事情を手短に説明した。