「体が治れば、すぐに合流できるから……」
竹筒に入れた水を差しだすと、総司はそれを飲んだ。
ごくりと鳴る喉仏を見ていると、不意にそこから血が吐き出された様子が脳裏に閃く。
もしかして、総司はこのまま良くならないんじゃ。
そんなことを思ってしまい、心の中で勢いよく首を振った。
あたしが信じなくて、どうするんだ。
「ああ、そうだな。お前には申し訳ないけど、その血の効果に頼るしかない」
「いいよ。死なない程度だったら、いくらでもあげるから」
「……悪いな」
総司は、やっぱりあたしの肌に次々に傷が増えることを、苦しく思ってくれている。
そっと寄り添うと、総司は優しくあたしを抱き寄せ、ゆっくりと髪を撫でてくれた。
──悪い知らせが来たのは、その三日後のことだった。
相変わらず木の根が絡み合ってできた籠の中で総司が休んでいると、白い光が木々の間を縫って現れた。
光はあたしたちの目の前で、人の姿になる。
それは、狐の耳を生やした平助くんだった。
局長たちと一緒に甲府城に向かったはずの平助くんが、どうして?



