「でも、戦が始まるかもしれないのに……」
あたしの気持ちを総司が代弁すると、それまで黙っていた平助くんが口を開く。
「もののけとの連絡なら、俺もできるよ。
総司、近藤さんが心配だろ?一緒に行っておいでよ」
もちろん平助くんは油小路で死んだことになっているので、普段は白い子狐の姿で、斉藤先生の肩に乗っていることが多い。
それはそれは可愛くて、思わず平助くんだってことを忘れて頬ずりしそうになり、何度総司に止められたことか。
って、そんなことを思い出してほのぼのしてる場合じゃない。
「総司……」
彼は迷っているみたいだった。
大好きな近藤局長の護衛として大阪に下るか、戦のために伏見に残り、土方副長と共に戦うか。
「……それに、こんなこと言いたくねえけどよ。お前、最近顔色が悪いぜ。
咳も出てるし、油小路で倒れたばかりじゃねえか。
近藤さんと一緒に、少し養生してこい」
「それは」
「戦に出たいんなら、体調を万全にしてこい。じゃなきゃ足手まといになるだけだ」
「……っ……!」
厳しい言葉の裏には、副長の総司を心配している気持ちが見え隠れしていた。
けれど、足手まといと言われた総司は、悔しそうな顔でのどを詰まらせる。



