「じゃあ、どうすればいいの?」
『完全な狼のもののけになっていただければ、もののけの寿命が手に入ります。
しかし、ここではできない。我らの森へ来ていただかなければ』
もののけの世界でなければできない、特殊な妖術か何かを使うのかな。
「それ以前に、総司の意志を確認すべきなんじゃないの?完全な狼になるなんて……」
平助くんが遠慮がちに口をはさんだ。
それはそうだ。
人狼であることだって嫌っているのに、完全な狼になるなんて、総司が簡単に承諾するはずない。
けど、このままじゃ命が……。
「楓……」
不意に、総司の口が、弱弱しくあたしの名を呼んだ。
「ここにいるよ、総司。ねえ、聞こえる?」
手をぎゅっと握ると、総司は深く息をつき、それ以上は話さなかった。
「総司……大丈夫だよ。離れたりしないよ」
総司もきっと、心細いんだ。
あたしは彼の手をにぎる力を強める。



