「銀月さん!銀月さん!」
倒れた総司の体を抱きしめ、天井に向かって叫ぶ。
すると、その天井がぐにゃりと歪んだように見え、次の瞬間には、目の前に巨大な灰色の狼が現れた。
「うわっ、びっくりした!」
突然現れた銀月さんに、平助くんは驚いて尻餅をついた。
「銀月さん、総司が……総司が、急に血を吐いて……!」
動悸が早くなり、うまく説明ができない。
けれど銀月さんは、倒れた総司の様子を見て、何が起きたか察してくれたみたい。
『鳥羽伏見で、かなりの無理をされましたから……人間の体に、ついに限界が訪れようとしているのかもしれません』
「限界が……」
『何度もご忠告申し上げている通り、人間でありなお人であろうとすれば、お体に負担がかかるのは必死。
楓様の血がいかに優れた薬であっても、頭領の長年の負担をすべて消し去ることは、やはりできないのでしょう』
銀月さんは悲痛な声でそう述べる。



