「喀血……!まさか、また体に負担が?」
この前総司があたしの血を飲んだのは、鳥羽伏見の直前だったから……2か月くらい前だ。
けっこう最近なのに、もう効き目が切れてしまったの?量が足りなかった?
「平助くん、どこでもいいから切って!血を飲ませなきゃ!」
「えっ?そんな急に言われても!」
「いいから早く!今、苦無しか持ってないの。お願い」
それを聞くと、平助くんは気が進まない表情で、腰に差していた脇差を抜いた。
けれど……。
「は、ぁ……あ……」
どさり。
平助くんがあたしに傷をつけるより早く、総司は音を立てて畳に倒れ込んでしまった。
咳は止まったけど、意識も遠くなってしまっているみたい。
苦しそうに薄く空いた瞳が焦点を失い、ゆっくり閉じられていく。
「総司!」
「総司、総司!しっかりして!総司、聞こえてるっ!?」
どんなに呼びかけても返事がない。
血で汚れた口元を見ると、このまま総司の息が止まってしまうような気がして、ぶるりと背が震えた。
どうしよう。こんなとき頼りになるのは……。



