幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



総司はため息をついた。

まあ、急な変化についていけない人もいるよね……。


「でも、似合ってるよ」

「……ああそうかい。ありがとよ」


やっぱりそっけない返事。

そんな総司には悪いけど、洋装、かっこいい……うへへ。惚れ直しちゃった。


「楓はどうするのかな」

「あたしは今の忍び装束で十分動きやすいからいいんじゃない?
寒くなったら袖とすそを足せばいいだけだし」


皆みたいに、戦の時も鎧をつけたりしないし、刀もないしね。

そんな話を平助くんとしていると……。


「ごほ、ごほ……っ」


総司が不意にせき込んだ。

少しむせたのかと思って振り向くと、その音はだんだんと大きくなっていく。


「総司?」


体を折り曲げ、胸を押さえ、咳き込み続ける様子に、平助くんも心配そうな顔でのぞきこむ。


「大丈夫?ねえ、総司」

「ああ、ごほっ……はあ……。っは、ごほごほごほっ」

「ちょっと、どうしたんだよ」


背中をさするけど、総司の咳は一向におさまる気配がない。

胃の中の吐き出してしまいそうな勢いで、続けざまに咳をする。

そうかと思えば、急に口を押さえていた彼の指の間から、赤い滴がぽたりぽたりと落ちた。


これは……!