幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



「か、かっこいい……」


土方副長や斉藤先生、平助くんも似合っているけど、どこかだぶっとして体に合っていない感がある。

けれど総司は手足に無駄な布が余っていなくて、すっきりと洋装を着こなしていた。


「でしょ?俺が選んだんだよ?」


平助くんはむくれている総司の肩を、笑顔でたたいた。

いないことになっている二人は髪結いに髪を切ってもらうわけにもいかず、総司は平助くんに切ってもらったらしい。


「ほらっ総司、お前の恋女房がかっこいいって言ってるよ!」

「……うるせえ」


総司はちらっとこちらを見ると、照れくさそうな顔をしてそっぽを向いてしまった。

ああ、なんかこの感じ……壬生にいたときみたい。


「近藤さんは、『大名が異人の真似をするわけにはいかない!』だってさ。
あの人、形にこだわるからな~」


「俺は近藤先生に賛成だ。やっぱり武士は着物に袴だろう」


「でも軽いじゃん。俺、正直服なんか関係ないけど、人として生きてたらこっちの方が戦いやすいと思うもん」


「わかってるよ。土方さんが間違うわけねえんだ。戦に勝たなきゃ意味がねえってことも」