「平助くんの不安ももっともだと思うけど、局長がいてくれたら、みんな心強くなるし……がんばろうね」
「ん~……楓に言われちゃ断れないか!」
やっと平助くんが笑ってくれて、場がなごんだ、そのとき。
隣の広間から、廊下に人が流れて行く足音がした。
どうやら、今日の集会は終わったみたい。
「お前ら、ちょっと」
副長の声がすると、すっとふすまが開いた。
「実は近日中に、上様が江戸城を出て上野の寛永寺移られることになった。
その際の警護を申しつけられたんだが……」
「えっ、城を出るんですか?」
あたしたちは立ち上がり、局長の前に座りなおす。
副長も座り直し、じっとあたしと総司を見つめた。
すると、局長が口を開く。
「上様は寛永寺に謹慎し、朝廷に刃向かう気がない意志を現すおつもりだ。
総司、楓くん、なんとか上様のところへもぐりこめないか」
「えっ?」
もぐりこむって……なんで?
「直接話をしたこともあるし、我らのなかでは一番上様と親しいだろう?」
いや……そりゃあ、上様の顔も見たことのない他の隊士に比べれば、多少打ち解けている…。かな?
親しいとか仲がいいって言葉とは、ほど遠いと思うけど……。



