「……ほんとに、なんとかなるといいけど」
あたしと一緒に、隠れて広間の様子をうかがっていた平助くんがぽつりと言った。
実はあたしたちは隣の部屋からそーっとこの様子を見ていたんだ。
「近藤さん、鳥羽伏見に参加してないからあんなこと言えるんだよ」
「平助、口を慎め」
部屋の隅にいた総司が、低い声で平助くんを制した。
副長の命令で、実は総司もこの屯所にはいないことになっている。
『今は猫の手も借りたいんだ。お前はいつでももののけを率いることのできるよう、新撰組本隊とは離れて行動してくれ』
つまり、怒らせたもののけたちの心象を悪くしないために、あまり新撰組とベタベタしていると思われない方がいいだろうということだ。
「近藤先生だって、簡単に勝てるとは思ってないさ。俺たちが信じてついていかなくてどうする」
「わかってるよ。ちょっとくらい愚痴言ったっていいじゃん」
平助くんが口をとがらせる。
たしかに、今までのように気合で戦に勝てる時代は終わった。
鳥羽伏見の戦いでそれが身に染みてわかった。
局長はなんとか普通に動けるくらいには回復したけど、剣は振るえないし、近代兵器との戦を体験していないし……。



