幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



慶応四年二月


新撰組は屯所として与えられた鍛冶橋大名小路の屋敷の広間に集合していた。

鳥羽伏見の戦い後、神田和泉橋の医学所で療養を続けていた近藤局長が戻ってきたからだ。


「先の戦は大変だったようだな。
しかし、私が帰ってきたからにはもう大丈夫だ。
皆で協力して、徳川の天下を今一度取り返そうぞ!」

「おうっ!」


ぼろ負けした戦の影響でしょんぼりしていた隊士たちに、にわかに活気が戻る。

さすが近藤局長だ。

言っていることは大胆で、簡単に成し遂げられることじゃないけど、局長が言えばなんだかできるような気がしてくるから不思議。


横に座っていた副長は、苦笑して局長の言葉にうなずくみんなの様子を見ていた。

きっと、彼も局長が戻ってきてくれてほっとしているに違いない。