「……いえ、土方さん。もう敵は残り少ない。
ここは俺に任せてください」
「総司……」
「そうですよ。もし副長に何かあったら、明日の戦はどうするんですか?」
総司とあたしに挟まれて、副長は居心地の悪そうな顔をした。
息が整ってくるにしたがって、顔にも冷静さがだんだんと戻ってくるような気がした。
「ちっ……俺は池田屋でも腕を振るう機会がなかったんだ。これくらいいいじゃねえか」
副長……ちょっといじけてるみたい。
あたしは昔総司が話してくれた、今よりずっと気さくで悪ガキだった副長のことを勝手に想像してしまった。
「では、霊力なしで。純粋に剣術のみということで」
総司はそう言うと、月を仰ぐ。
すると、その体はみしみしと軋みながら、人狼の姿に変わっていった。
「こ、こいつももののけか!」
敵はそう言い、総司に向かって銃をかまえる。
「加勢するよ!」
ぎらりと敵をにらみつける総司の横から、平助くんが白い流線となって敵の手元を狙いにいく。
と同時に、副長が刀を手に走りだした。



