ばらばらになって宙に浮いていた手足が、次々に地面にできた血の海に落ちる。
「ひでえ……」
「本物の鬼だ……」
残った10名ほどの敵が、無残な姿となった味方の血の海から後ずさる。
「鬼でけっこう。中途半端なもののけのお前たちより、よっぽどマシだ」
にやりと笑った副長は、刀をかまえなおす。
しかし、その肩はいつもより激しく上下していた。
きっとさっきの攻撃で、莫大な力を使ってしまったんだ……。
「土方さん、もう霊力を使うのはやめておけ。
あんたは明日、また指揮官として働かなきゃならない。
今ムリをすれば、明日動けなくなるぞ」
刀を持った敵をあらかた片付けて、原田先生が叫んだ。
「土方さん……近藤先生がいない今、新撰組をまとめられるのはあなたしかいない」
総司に腕をつかまれると、副長はそれを振り払った。
「わかってる……けど、今はどうしてもこいつらを斬らなきゃおさまらねえ」
ぎり、と副長は愛刀の柄をにぎりしめた。
厳しいその顔が見ているのは、憎い敵の姿なんだろうか。
それとも、近代兵器の前に散っていった仲間たちの姿なのか。



