幕末オオカミ 第三部 夢想散華編



月光に照らされた役者のような顔が、敵をにらむ。


「鉄砲だろうが妖術だろうが、ここは絶対に通さねえ!」


彼が吠えると同時に、副長の周りに竜巻のようなすさまじい勢いの風が巻き起こった。

足元の砂や枯葉が舞い上がり、息すらも苦しくなる。


「副長……っ」

「細切れになっちまえ!!」


風の音にかき消されないほどの叫びが聞こえたと思うと、副長が抜いた刀を振り下ろす。

すると、目の前で渦巻いていた竜巻が、後から来た鉄砲隊に向かって進んでいった。


それは巨大で、文字通り風のような速さで。

避けきれなかった敵が、竜巻に巻き込まれた。


その渦の中で、彼らの体が風に切り刻まれてバラバラになっていく。


「うげえええ。鬼副長、やりすぎじゃねえ?」


平助くんが、刀を持った敵をかわしながら言う。


「土方さん、力を使いすぎです!」


総司が敵を斬り伏せ、副長の方へ駆け寄った。

彼の言った通りだったらしく、竜巻はすぐに消えてなくなってしまった。