「ウソだろ?」
斬りかかってくる敵で手いっぱいの原田先生が、信じられないといった顔で叫ぶ。
敵は斬られても斬られても、もののけの鱗と体力のせいで、何度も立ち上がってくる。
「味方も敵も一緒に撃つつもりなの?」
旧式の武器より狙いがつけやすくなったとはいえ、この距離で撃ったら、味方に当たっちゃうかもしれないのに……。
銃声は容赦なく、連続して聞こえた。
総司や平助くんは素早く身を翻し、原田先生は敵の体を盾にして、弾から逃れた。
あたしの足元にも弾丸がやってきて、すんでのところで飛び退く。
夜で弾道も見えやしないし、どうすればいいの?
突然のことに、冷汗が背中を流れていくと、弾丸を詰め替えるためか、敵の銃声が一瞬止んだ。
そのとき……。
「もののけのくせに、鉄砲なんか使ってんじゃねえよ……」
あたしたちの背後から、地面を踏む音と、ガラの悪い江戸弁が聞こえた。
ハッとそちらを振り向くと、そこにいたのは……。
「俺は機嫌が悪ぃんだ」
浅葱色の羽織をまとい、漆のような髪を風になびかせた、土方副長だった。



