優しくて大きな心でみんなを包んでくれた、近藤局長。


隊をまとめるために心を鬼にしていたけど、一度懐に入れた者には徹底的に親切だった、土方副長。


明るく、みんなの心を太陽みたいに照らしてくれた、藤堂平助くん。


感情を表に出すことは少なかったけど、いつも新撰組のことを考えていた斉藤一先生。


繊細で、人の痛みに敏感だった山南敬助総長。


いつもへっぽこくのいちのあたしの面倒を見てくれた、山崎烝監察。


へこんだときには必ずお兄ちゃんみたいに励ましてくれた、永倉新八先生に原田左之助先生。


そして……幕末最強の剣客、沖田総司。


不器用だけれど真っ直ぐで、優しいけれど頑固で、たまに涙もろくて。


色々欠点もあるけれど、とにかく愛しいあたしの旦那様だ。


幕末最後の狼は姿を消し、ただのひとりの男になった。


「ああ、いつか……戻れる日が来るさ」


あたしたちは並んで、遠くなっていく祖国を見つめた。